6月20日(土)入試の出題範囲 一部除外

塾長日記

大阪府立高校の入試出題範囲が一部除外されることになりました。

だいたい予想通りでしたが、除外される内容については首を傾げるところがありました。

私見を交えながらざっとまとめると以下の通りです。

〔国語〕

漢字がちょっと減ります。日常的な使用頻度が比較的低いものが多く削られています。

「書写」もなくなりますが、もともと入試に大きく影響するものではありません。

学習範囲、対策ともに例年通りで問題ナシ!

〔社会〕

公民の内容が一部削減されます。教科書でいうと50~60ページほどにあたります。

ただし歴史で学習する内容と重複している部分が結構あるので、見た目ほどの削減量ではありません。

学習範囲、対策ともに例年通りで問題ナシ!

〔理科〕

除外されるのはいわゆる「食物連鎖」と「エネルギーの変換」。

どちらも50分授業1コマで終了できる程度の学習内容なので、入試の難易度に変化を及ぼすほどの影響はありません。

学習範囲、対策ともに例年通りで問題ナシ!

 

以上の3教科は、私の目から見て「これで削減したつもり?」という感じです。

塾の授業の進め方にも大きな変化はありません。

 

〔英語〕

現在分詞・過去分詞の形容詞的用法(後置修飾)が削減されます。

教科書5ページ分。まとめのページなどがあるので実質的には2ページ分です。

とはいえ、この単元はかなり重要です。そして厄介なのが、この範囲を学習しなかった場合、

「過去の入試問題、市販の参考書・問題集を使った入試対策ができない」ということです。

高校入試の長文で、これらの単元で学習する内容が含まれないものはほぼありません。

赤本を買ったとしても、そこには習わない(=教えてもらえない)文が書かれているのです。

旺宣学院では練習量の確保や自習のしやすさのためにも、この単元を授業で扱います。

〔数学〕

除外されるのは「資料の活用」、「円周角・中心角」、そして「三平方の定理」です。

「資料の活用」は入試に出てもほぼ1問、内容的にも「これができないと次に進めない」というものではないので、

それほど気にかける必要はありません。

「円周角・中心角」は、それ単体ではそこまで難しくありませんが、「相似」や「三平方の定理」と組み合わせた形で

よく出題されます。複合した場合にはかなり難しい問題にもなってきます。

そして「三平方の定理」。これは入試の中でかなり大きなウエイトを占めています。

高校で学習する三角関数にも深く関わる単元なので、入試に出なくても、高校入学までには身に付けておくべきです。

「円周角・中心角」、「三平方の定理」が除外されることで、数学の入試問題は大きく変わります。

おそらく「2次関数」、「相似」の2単元の重要性が高くなるでしょう。

今までには無いような、新しいタイプの難問が出されるかもしれません。

 

〔まとめ〕

正直、「国語・社会・理科」に関しては、「これで内容を削減したの?」という感じです。

「英語」に関しても「そこだけ除外して意味あるの?」という感じ。

それらに比べると「数学」は「かなり削ったなぁ」という印象です。

数学を除く4教科については、入試に関していうと「ほぼ変更ナシ!」です。

数学は方程式の文章題や1次関数・2次関数の応用問題、

相似の範囲では面積比の問題などが難問として登場してきそうです。

特に1次関数ができないのは致命的です。

不安のある受験生は今のうちにしっかり学習しておきましょう。

旺宣学院では中学2年生の授業に参加してもらうことで、途中入塾生のフォローをしています。